13 4月

わたなべ雅子『怪奇ロマン傑作選』(週刊少女フレンド、1973年、講談社コミックスフレンド版全1巻)

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怪奇ロマン傑作選
わたなべ雅子恐怖の世界

(KC-612)

初版 昭和49年4月15日
第2刷 昭和49年12月15日

収録作品初出:

水曜日の森 別冊少女フレンド 昭和48年 10月号
白いカメレオン
(原作:柳川茂)
週刊少女フレンド 昭和48年 25号
13本のカメリア 別冊少女フレンド 昭和49年 2月号

(掲載誌情報元:Wikipedia、ヤフオク)

◆ひたむきな愛をうらぎり命までもうばったハワードへのロレーヌとクララの復讐……
それは――!
あなたのむねをこおらせる恐怖とショックの三大怪奇傑作。

  


水曜日の森
ロレーヌはハプスブルク家の伯爵令嬢。
ハワードとの結婚を間近に控えたある日、父親が首無しの変死体となって発見されます。
父が多額の借金を抱え破産していたことも判明し、失意のロレーヌでしたが、ハワードはロレーヌとの結婚を決断。1年後、娘・クララが産まれました。
しかし、ハワードの態度は一変。ロレーヌに冷たく当たるようになり、カジノに入り浸り、ロレーヌ名義のわずかな貯金さえ食い潰す始末。
さらに、ハワードは他の金持ちの一人娘・シャロンと仲良くなり、結婚するために邪魔なロレーヌを毒殺します。
死ぬ間際、父の財産目当てでハワードが近付いたこと、それに気付いた父を殺したこと、自分に毒を盛ったことを知らされたロレーヌ。
ハワードを恨みながら息絶えます。
「うらみかさなるハワード…何度でも生きかえり このうらみは…」
最後、ハワードくんはもちろん死にます。

白いカメレオン
サブリナとダフネはふたごの姉妹。
サブリナとウォルトは近いうちに式を挙げることになっていたが、ダフネもウォルトに恋をしていた。
しかし、ダフネには生まれつきケロイドがあり、いつも姉の影に隠れているしかなかった。
そこに白いカメレオンが現れる。
美しくなりたいのなら、私の地血をすすりなさい…そして、サブリナの身体を抱いてごらん…
美しくなれるのならば何をしても後悔しないと決心したダフネ。
確かにケロイドは消えたが、サブリナも消えてしまった…!
…1年後、ダフネはウォルトは式を挙げた。
が、ダフネの顔は時折ケロイドが、より酷くなって表れるため、その度にダフネは若い少女たちを「吸い取って」いった。
それからまた一年後、ダフネとウォルトと間に子が生まれる。
しかし、その姿はカメレオンそのものだった。
襲い掛かって来た「我が子」に噛みつかれたダフネの背は曲がり、手には鱗が生え、髪が抜け始めていった。
薄れゆく意識の中、あのカメレオンの笑い声がこだました…
時が過ぎ、自分の醜さから恋に悩む少女の元へ、一匹の白いカメレオンが現れる。
「愛がほしいんでしょ 美しくなりたいんでしょ あなたさえよければ願いをかなえてあげるわ」
Wikipediaによると、この1編はわたなべまさこ名作集未収録だそうです。

13本のカメリア
ロッシュフォール家の跡取り息子・シャルルは、有名私立中学校に進学するため、猛勉強の毎日だった。
彼の唯一の楽しみは、母親と共に海鮮物を届けてくれる少女を遠くから見ることだけだった。
ある日、ダニィ爺のはからいで、シャルルは13本のつばきの木の下で少女・カメリアと会い、日が落ちるまで遊んだ。
以後毎日、先生の目を盗みカメリアと会うシャルル。
勉強ばかりだった頃より健康的になった代わりに、勉強は疎かになっていった。
その事実を知ったシャルルの両親はカメリアから引き離すべくパリへ連れて帰ることを決めた。
さよならも言わず別れることになった二人。
カメリアは必死で汽車を追いかけたが間に合わず…
それから半年が経ち、進学記念のパーティが催され、そこで二人は再会する。
素晴らしい夜を過ごし、目覚めたシャルルの元には、13本のつばきとかつてカメリアにあげた指輪が残されていた。
カメリアはあの日、後ろから来た汽車にはねられ亡くなっていた…
と、前2編と比べてホラーでは無いものの、哀しい物語です。

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