13 12月

大矢ちき『キャンディとチョコボンボン』(りぼん、1973年、りぼんマスコットコミックス版全1巻)

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キャンディとチョコボンボン
大矢ちき傑作集

(RMC-63)

初版 1974年10月10日
第4版 1976年1月10日

収録作品初出:

キャンディとチョコボンボン りぼん 昭和48年 2月号
王子さまがいっぱい
(第5回新人漫画賞準入選)
りぼん 昭和47年 10月号
白いカーニバル りぼん 昭和49年 3月号
ルージュはさいご りぼん 昭和48年 8月号

作品かいせつ:

「キャンディとチョコボンボン」昭和48年りぼん2月号「王子さまがいっぱい」昭和47年10月号に掲載。第5回新人漫画賞準入選のデビュー作。「白いカーニバル」昭和49年3月号、「ルージュはさいご」昭和48年8月号に掲載。

  

キャンディとチョコボンボン
グラドラー学園に転校して来たブーブー・スー。
「おじょうさん、あなたの涙をぼくのキャンディととっかえっこしておくれ。」と泣き虫の彼女に優しくしてくれたバディを探すためにはるばるやって来たのです。
彼が最後の日にくれたキャンデイを大事に携えて…
しかし、バディは泣き虫なかなか見つからず、彼女に惚れたプレイボーイ・ディキーがポケットのキャンディなんか捨てて、かわりに自分がチョコボンボン受け取るように迫りますが、ブーブーはバディ一筋。
学園の大創立記念祭でコーラスガールとなったものの、ドタバタでブーブーのキャンディがあっちへ行きこっちへ行き…
上手くキャッチした指揮者の青年がブーブーの元へ近付き、こう言います。
「おじょうさん、あんたの涙とぼくのキャンディととっかえっこしておくれ。」
…で終われば普通のハッピーエンドなのですが、そうは問屋が卸しません。
読み返すとその展開を示唆する細やかな描写に気付かされます。
  

王子さまがいっぱい
大矢ちき先生のデビュー作です。
絵を描くことが大好きなメリイジェンは毎晩街中へ行き、似顔絵を描いて生活費に充てています。
ある夜、ボロ雑巾のような青年・アーベルを拾いと出会います。
成り行きで一緒に暮らすことになった二人。
その隣室にネラリア国皇太子・エドマンドが引っ越して来、さらにはポニーランド皇太子だというアーベル(?)や学園のプリンス・シェルフィーも合わさってのドタバタラブコメです。

白いカーニバル
ミーロは父親と共に辻芸で生活する少年。
イタリアいちのヴィアレジオのカーニバルへ行き、父と一緒に踊るのが夢です。
ところが、カーニバルを目前に父が高熱で倒れてしまいます。
治療費どころか朝食代さえないミーロの元に現れたのは双児のようにそっくりの少年で…
わたなべまさこ先生「聖ロザリンド」も同様ですが、雪の中のラストは哀しいものばかり…

ルージュはさいご
高校生になったティッピーは生活力ゼロでガリ勉で女の子に興味がない兄・セオドアを正常な人間に戻すためにやってきたものの、ハンサム・コーポの”共同財産”(勉強のアドバイス等々担当)らしく、近寄れません。
そんなハンサム・コーポの面々は謎の美女クイーン・ヴィに夢中。
彼女の正体はティッピーの友人・ベスで、セオドアに振り向いてもらおうと美容学校で習得したメーキャップした姿だったのです。
以降もラストまでドタバタでありながら、高い画力が惜しみなく発揮されたコマの数々は必見です。

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